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天声人語10

2014月8月14日 天声人語「천성인어」 天声人語2014年8月14日(木)付 富士山には「白い川」があると教わった。かつて山小屋のトイレにたまった内容物は山肌に垂れ流された。それに混じったトイレットペーパーが白く筋状にこびりつく現象をいう。見苦しいし、汚い。霊峰としてはまことに不面目である▼最近は富士山のトイレ事情も改善されてきているという。先日登頂した同僚は、十数年前との様変わりに驚くと話す。7合目の山小屋は建て替えられ、きれいなトイレになっていた。8合目の先の小屋のトイレも水洗だった。汚物はおがくずやカキ殻で処理する。バイオの力である▼すべて有料で、おおむね1回200円のチップを払う。そのために登山客は小銭をたくさん用意していくのが常識と聞いて、なるほどと思う。ただ強制ではないから本人の気持ち次第。現状では維持費には足りないという指摘がある▼使いやすくなって解決というわけでもない。より大きな問題は、登る人が多すぎて、既存.. 2014. 8. 14.
2014月8月13日 天声人語「천성인어」 天声人語2014年8月13日(水)付 見るのがつらいという人もいるだろう。29年前のきのう墜落した日航ジャンボ機の残骸なのだから。機体のほか、止まった腕時計なども展示してある。日航が事故の21年後に設けた「安全啓発センター」だ▼遺族でつくる「8・12連絡会」の有志が6月、ここを訪れた。修理ミスの跡が残り、事故原因となった圧力隔壁を見て、ある女性は、こんなものに命を預けていたなんてと怒りを感じた。安全への願いをつづった文章を連絡会の会報に寄せた▼事故の翌年に創刊された会報「おすたか」が、7月で100号となった。会員の手記や会からの報告を載せ、遺族の心の支えとなってきた。会の事務局長、美谷島(みやじま)邦子さん(67)が編集する。節目の号には「100回分の涙があります、100回分の慰めがあります」との感謝も届いた▼他の大きな事故についての情報も豊富に掲載してきたことが特徴だ。名古屋の中華航.. 2014. 8. 14.
2014月8月12日 天声人語「천성인어」 天声人語2014年8月12日(火)付 夏の甲子園の名勝負は枚挙にいとまがない。筆者は1996年の決勝戦が忘れられない。同点で迎えた延長10回裏、熊本工は1死満塁、サヨナラの好機。打球は外野に飛び、松山商は万事休すかと思われた▼犠飛を阻んだのは右翼手だった。ノーバウンドの返球で三塁走者はタッチアウト。いまも語り草の「奇跡のバックホーム」だ。そして、愛媛の古豪は27年ぶりに優勝した。駆け出しのころ取材した高校という思い入れもあったが、中継を見ていて後頭部にしびれを覚えた▼今年も数々のドラマが繰り広げられるだろう。台風11号のせいで2日遅れの開幕となった。大会史上初の事態に、いったん引き返す応援団もあったという▼きのう登場した6校は順延の影響が出ないよう、心身の再調整に気を配ったに違いない。他には、気分転換に時間をつかう学校もあった。地方大会の疲れが抜けていない選手にはよい休養になったのでは.. 2014. 8. 14.
2014月8月10日 天声人語「천성인어」 天声人語2014年8月10日(日)付 後に天才外科医となる若い男が、空き家を見つけて住もうとした。そこに突然、見知らぬ大工があらわれる。この家はその昔に自分が建てた、だから自分に改築させろ、という。男は任せた▼腕のいい職人はほどなく白血病で倒れる。30年以上前の広島での被爆が原因だ。難しい病気に、駆け出しの医者は〈まるで風車にむかうドン・キホーテのよう〉に無力だった。大病院で治したら仕事の続きをすると誓って別れたきり、姿を見せない。医者はすっかり古びた家に手を加えず、ただ再会を待っている……▼手塚治虫の代表作『ブラック・ジャック』から「やり残しの家」という一編である。去年出た作品集『漫画家たちの戦争 原爆といのち』に収録され、今回はじめて読んだ。戦争を生き延び、「生命の尊厳」を生涯のテーマとした手塚らしい佳品だ▼『鉄腕アトム』のイメージから、科学技術への賛歌をうたい上げたと思われがちな.. 2014. 8. 14.